【まずはここから】外国人採用の概況と今後の見通し

【まずはここから】外国人採用の概況と今後の見通し

2017.05.10

少子高齢化に伴う労働人口の減少は日本企業にとって労働力不足として喫緊の課題となっております。更に、グローバル化も相まって、ボーダーレスな取引やビジネス展開も求められるようになってきました。そんな中、日本企業の中でも人員の補完・グローバル化への対応のために外国人採用を加速させています。今回はそんな外国人採用の概況と今後の見通しをご紹介します。

外国人採用の概況

まず、外国人採用の概況はこの数年拡大傾向にあり、企業規模の大小を問わず外国人採用を推進している傾向にあります。この章では、近年における外国人採用の概況を解説します。

【まずはここから】外国人採用の概況と今後の見通し

外国人社員を採用した企業数

外国人社員を採用した企業は年々増えている傾向にあります。少なくとも日系企業では、800社弱規模が外国人採用を実施しています。以下のJETROのデータでも、2014年から一貫して外国人採用を行う企業の割合は増え続けており、採用を検討している企業と合わせて外国人採用への関心が高くなっている傾向にあるでしょう。

増加の背景としては、日本政府が推進している高度外国人材の受け入れが進みつつある状況に伴い、「専門的・技術的分野」のビザを有している外国人労働者が増えていることが挙げられるます。加えて、留学生の受け入れにともない「資格外活動」の増加や雇用情勢の改善(働き方改革による残業規制、ブラックアルバイト問題への対処)により外国人労働者が増えつつあるとも言えるでしょう。

【まずはここから】外国人採用の概況と今後の見通し

引用元▶2016 年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査~JETRO 海外ビジネス調査~(JETRO HP)

ちなみに、外国人を採用している日本の事業所は172,798か所あり、対前年比で20,537か所増えている状態です(対前年比13.5%。)こちらも、事業所の所属人数の大きさによらず外国人社員を登用しているようです。特に10人未満の小規模な事業所での外国人社員の登用が半数以上を占めている状態です。

【まずはここから】外国人採用の概況と今後の見通し

引用元▶「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(平成 28 年 10 月末現在)(厚生労働省)

外国人社員を採用した業界は?

業界別に外国人社員の分布を見てみると、どの業界にも採用されているようですが、一番多いのは製造業界です。外国人側のニーズとしても、日本の先進的な技能や製造業のノウハウを学びたいという希望は根強いため、理系学生やエンジニア出身者を中心に製造業での就労が盛んになっていると推察できます。

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引用元▶「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(平成 28 年 10 月末現在)(厚生労働省)

外国人社員の配属先は?

そして、採用した外国人の配属先は営業・販売の割合が多くなります。次いで研究開発という構成になっています。この背景としては、海外販路拡大や海外営業も含めた営業分野での活躍を期待して外国人を配属する傾向にあるようです。第二位となった研究開発は理系学生やエンジニアを専攻をそのまま実務に転用できるように配属することが一般的のようです。

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引用元▶平成26年度産業経済研究委託事業(外国人留学生の就職及び定着状況に関する調査)(新日本監査法人)

外国人社員の出身国地域は?

外国人社員の出身国地域は圧倒的に東アジア圏が多いです。国別では、中国、ベトナム、フィリピン、ブラジルの順番となっております。中国・フィリピン・ブラジルは国策的な背景も含め昔から多数の労働者を受け入れてきた歴史がありますが、近年はベトナムからの労働者流入も増えているようです。ベトナム人にとっては日本人の賃金水準が魅力的で日本語教育がベトナム国内で徐々に広まってきたことも相まって、日本留学や日本への就労が増えているようです。

【まずはここから】外国人採用の概況と今後の見通し

在留資格別

在留資格別外国人労働者の割合で最も多いのは、身分に基づく在留資格(永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)となっており、続いて、留学生や配偶者の資格外活動と続きます。伝統的に推進されてきた技能実習生も20%近くの比率を誇り、それらの多数派を高度外国人材と呼称される専門性の高い在留資格者が追いかける形となっています。

【まずはここから】外国人採用の概況と今後の見通し

引用元▶「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(平成 28 年 10 月末現在)(厚生労働省)

外国人労働者数

現在、日本における外国人労働者数は108万人となっております。この数値は外国人雇用状況の届け出制度によって全ての外国人を雇用している企業にハローワークへの届出が義務付けられているため、集計結果としてカウントされています。

【参考】外国人雇用状況の届出制度

雇用対策法に基づき、外国人労働者の雇用管理の改善や再就職支援などを目的とし、すべての事業主に、外国人労働者の雇入れ・離職時に、氏名、在留資格、在留期間などを確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることを義務付けています。
届出の対象は、事業主に雇用される外国人労働者(=永住者や外交官は除きます。)

引用元▶「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成28年10月末現在)

外国人採用の今後の展望

現状については、外国人採用が活況であると説明してきましたが、今後についても同様で引き続き外国人採用を推進していきた企業が多いようです。加えて、国の政策である留学生獲得政策や高度外国人材雇用計画も相まって今後もこの流れは続いていくでしょう。

外国人社員を採用したい企業数

今後、すくなくとも300社以上の企業が外国人採用を実施する予定です。以下の留学生の採用見込みデータでは回答数600社のうち実に59%が採用意向を鮮明にしているので、これ以上の企業が外国人採用を推進するでしょう。

外国人社員を採用したい業界

また、業界としては引き続き製造業を中心に外国人採用が推進されると予想されます。

【背景:日本での技術系学生の減少やパイの枯渇】

三井科学の事例:

特に技術系の人材について、最近では化学工学を教える日本の大学が少なくなってい ることもあり、現場で即戦力となる専門性の高い人材を国内で探すことが困難になり、 シンガポールや中国の大学での直接採用にも注力している。しかし優秀な人材を見出 しても、外国人社員を受け入れる体制が十分に整っていないために受入れ先がなく、 採用を見送るケースもある。

引用元▶平成26年度産業経済研究委託事業(外国人留学生の就職及び定着状況に関する調査)(新日本監査法人)

【参考:外国人留学生の採用見込み】

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引用元▶「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する企業調査」<2016 年 11 月調査>(株式会社ディスコ)

外国人留学生数

現状での日本における外国人留学生数は23万人となっております。

学校別に分けた統計は以下のように構成されています。どの種別も対前年に比べて増加傾向にあります。

文科省が掲げる「留学生30万人計画」の下で2020年までに留学生が増える施策が今後も増えると考えられます。

大学院 43,478人 2,082人(5.0%)増
大学(学部) 72,229人 4,757人(7.1%)増
短期大学 1,530人 116人(8.2%)増
高等専門学校 564人 45人(8.7%)増
専修学校(専門課程) 50,235人 11,581人(30.0%)増
準備教育課程 3,086人 479人(18.4%)増
日本語教育機関 68,165人 11,848人(21.0%)増

引用元:平成28年度外国人留学生在籍状況調査結果(日本学生支援機構)

留学生のうち、日本での就職を希望する数

留学生のうち、日本での就職を希望する学生は全体の65%と言われており、過半数以上の学生が日本での就業を希望しています。しかし、留学のビザから就労のビザに切り替わっている学生は卒業生の半数程度と言われているため、まだまだ採用の余地はあると言えるでしょう。

【参考:留学生の卒業後】

日本における就職を希望する留学生は全体の65%であり、平成25年度に卒業(修了)した留学生数39,650人から推計すると、約25,800人となる。平成26年における在留資格「留学」から就労の資格への変更許可数は12,958人であるため、平成25年度においては、卒業後に就職を希望している留学生のうち、約50%しか就職できていないと推定される。

引用元▶外国人留学生の就職促進について(外国人留学生の就職に関する課題 等)(日本学生支援機構)

日本語学校数

外国からの留学生や労働者を受け入れる際に大きな壁となる「日本語」ですが、受け入れのための教育機関である日本語学校はこの数年、数自体は増減を繰り返しているものの、生徒数は右肩上がりの状態となっています。

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引用元▶日本語教育機関の調査・統計データ(日本語教育振興協会)

<参考URL・資料データ一覧>

2016 年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査~JETRO 海外ビジネス調査~(JETROホームページ)

平成26年度産業経済研究委託事業(外国人留学生の就職及び定着状況に関する調査)(新日本監査法人)

「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(平成 28 年 10 月末現在)(厚生労働省)

「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成28年10月末現在)

「留学生30万人計画」(文部科学省)

平成28年度外国人留学生在籍状況調査結果(日本学生支援機構)

外国人留学生の就職促進について(外国人留学生の就職に関する課題 等)(日本学生支援機構)

日本語教育機関の調査・統計データ(日本語教育振興協会)

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